
この記事は探偵が監修しています
監修:佐藤 良太(ラクーン探偵社 代表(合同会社EXE RESEARCH))

ソースネクストで最大約2,252万件。会員情報が流出した可能性
2026年10月15日、ソフトウェア販売のソースネクスト株式会社が、自社サイトへの不正アクセスにより、会員情報が外部に流出した可能性があると発表しました。対象は最大2,251万9,960件。東京商工リサーチの集計をもとにした報道では、2014年に発覚したベネッセの約3,504万件に次ぐ、国内で過去2番目の規模とされています。
写真は、当社に実際に届いたお詫びのメールです。ソースネクストの製品を一度でも購入したり、会員登録をしたりした方には、同じメールが届いているはずです。「自分には関係ない」と思っていた方ほど、一度メールボックスを確認してみてください。
この記事では、公式発表の事実を整理したうえで、今すぐやっておきたい対策、AIの進化によって情報が抜かれやすくなっている現状、そして探偵事務所として私たちが個人情報をどう扱っているかをお伝えします。
現時点でわかっていること
以下は、ソースネクストの公式のお知らせと、Impress Watch・ITmediaなどの報道にもとづく内容です。調査は続いているため、最新の情報は公式のお知らせをご確認ください。
- 件数:流出した可能性がある顧客情報は2,251万9,960件(法人の登録を含む)。
- 流出した可能性がある項目:メールアドレス、パスワード、氏名(カナを含む)、住所、性別、電話番号、FAX番号、生年月日、会社名、役職名、部署名、サービスの登録やログインに関する情報など。実際に流出した項目は、登録内容によって人ごとに異なります。
- クレジットカード情報:対象のシステムには保存されていないため、含まれないと説明されています。
- 手口:10月9日の午前10時ごろから、会員情報を取得するための仕組み(API)が不正に利用され、登録情報が取得されていたとされています。
- 発覚と対応:10月13日の午前9時ごろに不正アクセスを確認し、同日13時36分までに封じ込めを完了したと発表されています。
- 利用者へのお願い:ログイン時のパスワードの再設定と、ソースネクストや関係先を装ったメール・SMS・電話・郵便への注意が呼びかけられています。
発覚から封じ込めまでは数時間でしたが、不正な取得は4日近く続いていたことになります。気づいたときには、すでに情報は外に出ている。情報漏えいの怖さは、ここにあります。
ソースネクストの会員だった方が、今すぐやっておきたいこと
1. パスワードを変える。同じパスワードを使っているサービスも全部
ソースネクストのパスワードを再設定するのはもちろんですが、より大切なのは、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを使っている他のサービスです。流出した組み合わせは、ネット通販、SNS、クラウドなど、別のサービスへのログインに片っ端から試されます。使い回しがあるなら、すべて別々のパスワードに変えてください。
2. 二段階認証を有効にする
メールやSMS、認証アプリで確認コードを求める「二段階認証」を有効にしておけば、パスワードが知られても、それだけではログインされにくくなります。メール、銀行、SNSなど、乗っ取られると困るサービスから優先して設定しましょう。
3. 「お詫び」「確認」を名乗る連絡のリンクは開かない
大きな漏えいの直後は、その会社を名乗る偽のメールやSMSが増えます。「補償の手続き」「本人確認のお願い」などの文面でリンクを押させ、偽のログイン画面でパスワードやカード番号を入力させる手口です。手続きは、メールのリンクではなく、ブックマークや検索から公式サイトを開いて行ってください。
4. 電話や郵便にも注意する
今回は住所・電話番号・生年月日も対象です。メールだけでなく、電話や郵便で「あなたの情報が流出しています」と近づいてくる詐欺にも気をつけてください。名前や住所を正しく言い当てられても、それは本物の証拠になりません。
AIの進化で、情報は「一層抜かれやすい」時代になりました
強調しておきたいのは、情報が抜かれる危険は、数年前より確実に高くなっているということです。理由は、生成AIの進化です。
だましの文章が、誰にでも作れるようになった
少し前まで、詐欺メールは不自然な日本語ですぐに見分けられました。いまはAIを使えば、本物と見分けのつかない丁寧な文章を、誰でも一瞬で大量に作れます。会社の文体をまねたお詫びメールや、取引先を装った請求のメールも、手間をかけずに作れてしまいます。
流出した情報をつなぎ合わせる作業が、速くなった
一つの漏えいだけなら、出ていくのは名前とメールアドレスくらいかもしれません。しかし、別々の漏えいで出た情報を突き合わせれば、住所、生年月日、勤務先、家族構成まで、一人の人物像が組み上がります。こうした整理や照合も、AIによって速く、安くできるようになりました。その人だけに向けた、もっともらしい詐欺の連絡が作りやすくなっているのです。
声や顔まで、まねられる
短い音声や写真があれば、本人に似た声や映像を作れる技術も身近になりました。家族や上司を名乗る電話や動画で、お金や情報を引き出そうとする手口への注意が、すでに各所で呼びかけられています。
情報は「盗まれたら終わり」ではなく、盗まれた後に、AIで何倍にも悪用される。この前提で身の回りの情報を見直す必要があります。
本当に大事な情報は、紙のほうが安全なのかもしれません
便利さの面では、データで管理するほうが圧倒的に優れています。ただ、今回のように数千万件の情報が一度に抜き取られるのは、データがネットにつながった場所にまとまって置かれているからです。
紙の書類は、ネットの向こうから一度に何千万件も持ち出すことはできません。盗むには、その場所に行き、物理的に持ち出す必要があります。もちろん、紙にも紛失や盗難、捨て方の問題はあります。それでも、漏れたときの被害の大きさという点では、紙には紙の強さがあります。
- パスワードや暗証番号の控えを、スマホのメモやクラウドに置かない
- 契約書、通帳、本人確認書類のコピーなど、本当に大事なものは紙で保管し、鍵のかかる場所にしまう
- 不要になった紙はシュレッダーにかけて処分する
すべてを紙に戻す必要はありません。ただ、「漏れたら取り返しがつかない情報」だけは、あえてネットから切り離しておく。それが、AIの時代のいちばん確実な守り方なのかもしれません。
ラクーン探偵社は、個人情報の取り扱いに細心の注意を払っています
探偵へのご相談には、ご家族のこと、配偶者のこと、職場のことなど、誰にも知られたくない情報が含まれます。私たちは、お預かりする情報の重さを理解し、取り扱いには細心の注意を払っています。
探偵業法では、探偵業者に次のような義務が定められています。
- 秘密の保持(第10条第1項):業務に従事する者は、正当な理由なく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。業務に従事しなくなった後も同様。
- 資料の管理(第10条第2項):探偵業務で作成・取得した文書、写真、電磁的記録などについて、不正または不当な利用を防ぐための措置をとらなければならない。
当社はこの法律を守ることはもちろん、ご依頼者さまとの契約書類は、法律の定めどおり紙の書面でお渡ししています。
探偵の契約で「電子契約」を提案されたら、探偵業法違反です
最近は、さまざまな契約がスマホやパソコンの上で完結するようになりました。しかし、探偵との契約は例外です。
探偵業法第8条は、探偵業者に次の2つの書面の交付を義務づけています。
- 契約前(第8条第1項):契約を結ぶ前に、重要事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。
- 契約後(第8条第2項):契約を結んだら、遅滞なく、契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならない。
探偵業法には、この書面の交付を電子データの送付で代えてよいという定めがありません。そのため、紙の書面を渡さずに「電子契約で済ませましょう」と提案する探偵業者は、探偵業法に違反しています。警察庁のホームページでも、契約前と契約後の書面の交付が探偵業者の義務として案内されています。
法律で決められた書面を省こうとする業者が、お預かりした情報だけは丁寧に扱ってくれる、とは考えにくいものです。探偵に依頼するときは、契約前に重要事項説明書、契約後に契約書面を、紙で受け取ることを必ず確認してください。
会社の情報を守る対策は、株式会社アライアへご相談ください
今回のような漏えいは、大企業だけの問題ではありません。顧客名簿、取引先の情報、従業員の個人情報を扱う会社であれば、規模に関係なく狙われます。また、情報を持ち出すのは外部の攻撃者だけではなく、社内の人間であることもあります。
ラクーン探偵社は、デジタルフォレンジック・サイバー調査を手がける株式会社アライアと提携しています。アライアは、PCやスマートフォン、クラウド、SNSに残るデジタルの痕跡を、証拠として使える手順で保全・解析する専門会社です。社内不正や情報漏えいへの対応、端末の解析、調査レポートの作成などに対応しています。
- 自社の情報がどこから漏れたのか確かめたい
- 退職者や従業員による持ち出しが疑われる
- 漏えいが起きる前に、守り方を見直しておきたい
こうした情報セキュリティのご相談は、株式会社アライアのお問い合わせページからお問い合わせください。社外での行動の確認など、探偵の調査が必要な部分は当社が担当し、デジタルの解析と組み合わせて対応します。
まとめ
- ソースネクストでは、最大2,251万9,960件の会員情報が流出した可能性がある。パスワードの再設定と、使い回しているサービスの変更を急ぐ。
- AIの進化で、だましの文章づくりも、流出情報のつなぎ合わせも簡単になった。情報は一層抜かれやすく、悪用されやすい時代になっている。
- 漏れたら取り返しがつかない情報は、あえて紙で保管するのが安全なのかもしれない。
- 探偵業法は、契約前と契約後の書面の交付を義務づけている。紙の書面を渡さず電子契約で済ませようとする探偵業者は、探偵業法違反。
- 会社の情報セキュリティの相談は株式会社アライアへ。探偵の調査が必要な部分はラクーン探偵社が担当する。


