
YouTubeで「浮気突撃」「不倫突撃」と検索すると、浮気現場に乗り込んで相手を問い詰める動画がたくさん出てきます。再生回数が数百万回に届くものもあり、つい最後まで見てしまった方も多いのではないでしょうか。
見終わったあとに、こんな疑問を持った方もいると思います。
- 「あれって本当なの?やらせじゃないの?」
- 「自分もパートナーに浮気されている。動画のように現場に乗り込んでやりたい」
特に後者の方の気持ちは、痛いほど分かります。裏切られた怒りや悔しさを、相手に直接ぶつけたいと思うのは自然なことです。
ただ、ラクーン探偵社として多くの浮気調査の現場を見てきた立場から、はっきりお伝えしたいことがあります。動画のような突撃は、現実にはほとんど起こりません。そして、感情に任せて同じことをすると、損をするのは浮気をされた側のあなたです。
この記事では、プロの探偵の目から見た「突撃動画」の違和感と、法律上のリスク、そして本当に意味のある「突撃」とは何かを解説します。
YouTuberの「不倫突撃」はやらせ?プロの探偵が感じる違和感
個別の動画がやらせかどうかを、外から断定することはできません。ただ、実際の浮気調査の現場を知る探偵から見ると、多くの突撃動画には「現実ではこうはならない」と感じる場面がいくつもあります。
警察が来ても「騒音の注意」で終わるのは不自然

突撃動画では、言い争いの途中で警察官が駆けつける場面がよくあります。ところが、動画の中では「近所から騒がしいと通報があった」程度の扱いで、注意を受けて終わることがほとんどです。
現実には、見知らぬ人たちが大勢で押しかけ、カメラを向けて大声で問い詰めていれば、問い詰められた側が「知らない人に囲まれて怖い」「撮影をやめてくれない」と警察に訴えるのが普通です。そうなれば、警察は事情を聴き、場合によっては突撃した側が任意同行を求められることもあります。騒音の注意だけで丸く収まる展開は、かなり不自然だと言わざるを得ません。
実際の現場は、あんなにドラマチックにはならない
動画では、浮気相手が素直に関係を認めたり、その場で泣いて謝ったり、都合よく核心を突く言葉を口にしたりします。しかし、私たちが現場で見てきた実際の浮気の当事者は、そうはなりません。
- 問い詰められると、まず否定する。「ただの友達」「仕事の相談」と言い張る
- その場から立ち去ろうとする、あるいは逆に怒り出す
- 撮影されていると分かれば、顔を隠して何も話さなくなる
現実の浮気の場面は、静かで、地味で、言い逃れに満ちています。数分の動画にきれいに収まる「結末」が用意されていること自体が、作られたものではないかと感じる理由です。
第三者の介入はNG!YouTuberの突撃に潜む「非弁行為」とは
突撃動画には、法律の面でも大きな問題があります。その一つが「非弁行為(ひべんこうい)」です。
非弁行為とは
弁護士法第72条は、弁護士ではない人が、報酬を得る目的で、他人の法律上の争いごとについて代理や交渉などをすることを禁じています。これに違反すると、刑事罰の対象になります。
浮気・不倫の問題は、慰謝料の請求や離婚の条件など、まさに「法律上の争いごと」です。依頼者に代わって浮気相手と話をつけたり、「慰謝料を払え」「二度と会わないと約束しろ」と交渉したりするのは、本来は弁護士にしかできない仕事です。
YouTuberの突撃が問題になりうる理由

動画の中で、第三者であるYouTuberが依頼者の代わりに浮気相手を問い詰め、謝罪や約束、示談の話までまとめてしまう場面があります。動画の広告収入や依頼者からの謝礼など、何らかの利益を得ているのであれば、非弁行為に当たる可能性が高いと考えられます。
なお、これは探偵も同じです。探偵が依頼者に代わって相手と交渉することはできません。探偵の仕事は、法律に則って事実を調べ、証拠を集めて報告することまでです。その先の交渉や請求は、依頼者ご本人か、弁護士が行います。ラクーン探偵社でも、必要な場合は弁護士へのご相談をご案内しています。
突撃される側の「権利」も守られている
浮気をした相手であっても、法律上の権利がなくなるわけではありません。行き過ぎた突撃は、次のような問題を引き起こすおそれがあります。
- 相手の家や敷地に無断で入る:住居侵入罪に問われるおそれ
- 大勢で取り囲む、強い言葉で謝罪や約束を迫る:脅迫罪・強要罪に問われるおそれ
- 顔や名前が分かる形で動画を公開する:名誉毀損やプライバシーの侵害として訴えられるおそれ
派手な突撃をすれば、相手から警察に通報されるリスクは非常に大きくなります。浮気をされた被害者だったはずが、気づけば「加害者」として扱われてしまう。これが、感情的な突撃のいちばん怖いところです。
安易な突撃は危険!弁護士すら懲戒処分になるリスク
「弁護士が一緒なら大丈夫だろう」と考える方もいるかもしれません。しかし、弁護士が同席していても、突撃が安全になるわけではありません。
実際に、弁護士が依頼者に同行して浮気相手のもとへ出向いた件で、相手方が「突然押しかけられて不安を感じた」などと所属の弁護士会に申し立て、行き過ぎた行動だとして弁護士が懲戒処分を受けた例があります。
法律の専門家である弁護士でさえ、やり方を誤れば処分を受けるのです。法律の知識を持たない一般の方やYouTuberが、勢いに任せて突撃することがどれほど危ういか、お分かりいただけると思います。
感情任せの突撃が、あなたにもたらすもの
怒りに任せて突撃した場合、依頼者にとって良いことはほとんどありません。
- 証拠が取れなくなる:浮気がばれたと知った相手は警戒し、会うのをやめたり、連絡の記録を消したりします。その後の調査が非常に難しくなります。
- 交渉で不利になる:突撃の際の言動を理由に、相手から逆に慰謝料を請求されたり、話し合いで足元を見られたりすることがあります。
- あなた自身が傷つく:否定され、言い逃れをされ、何も得られないまま終わる。その場の怒りが収まったあとに残るのは、深い疲れと後悔であることがほとんどです。
プロの突撃は「言い逃れを封じる」ための手段
ここまで突撃のリスクをお伝えしてきましたが、「突撃は絶対にしてはいけない」というわけではありません。大切なのは、突撃には明確な目的が必要だということです。
感情をぶつけるための突撃は、何も生みません。一方で、目的がはっきりしていて、事前に計画された「突撃」は、言い逃れを封じる有効な手段になることがあります。
例:自宅での不倫で、相手が会社の関係者だった場合
ラブホテルに二人で出入りする写真や、ラブホテルの領収書などは、それ自体が不貞の証拠として使える可能性があります。言い逃れが問題になりやすいのは、依頼者が家にいないタイミングを狙って、自宅で浮気をしている場合です。
たとえば、あなたが仕事や外出で留守にしている間に、パートナーが自宅へ浮気相手を招き入れていて、その相手が会社の同僚や取引先の人だったとします。
この場合、自宅への出入りを写真や動画で記録できても、あとから「自宅で仕事の打ち合わせをしていただけ」「相談に乗っていただけ」と言い逃れされるおそれがあります。会社の関係者であれば、自宅で会う理由を説明しやすいからです。
そこで、出入りの記録を確保したうえで、ご本人が自宅に戻り、二人がどのような状況でいたのかを確認する。これは「打ち合わせだった」という言い逃れを封じるという、はっきりした目的を持った行動です。
目的のある突撃に欠かせない条件
- 先に証拠を押さえておく:突撃は「証拠を取るための最初の一手」ではなく、集めた証拠を補う「最後の一手」です。
- 何を確認するのかを決めておく:言い逃れのどの部分を封じたいのか、事前に整理しておきます。
- あくまで冷静に、法律の範囲で行う:相手の家に無断で入らない、手を出さない、謝罪や約束を無理に迫らない。交渉は弁護士に任せます。
- その後の流れを決めておく:離婚するのか、関係を修復したいのか、慰謝料を請求するのか。目的によって、突撃が必要かどうか自体が変わります。
突撃をするかどうか、するならいつ、どのように行うのかは、状況によってまったく違います。ご自身だけで判断せず、調査の段階から専門家に相談することが大切です。
まとめ:突撃の前に、まずはラクーン探偵社へご相談ください
YouTubeの不倫突撃動画は、見ている分にはすっきりするかもしれません。しかし、現実の浮気の現場はあのようには進みませんし、同じことをすれば法律上の大きなリスクを背負うことになります。
- 動画のような展開は、現実の現場ではまず起こらない
- 第三者が依頼者の代わりに交渉するのは、非弁行為に当たる可能性が高い
- 派手な突撃は警察への通報を招き、あなたが加害者扱いされるおそれがある
- 弁護士が同席していても、懲戒処分を受けた例がある
- 突撃をするなら、言い逃れを封じるといった明確な目的と、先に集めた証拠が欠かせない
浮気をされたつらさや怒りは、決して間違った感情ではありません。だからこそ、その気持ちを無駄にしないために、まずは冷静に事実と証拠を積み上げることから始めましょう。
ラクーン探偵社では、浮気の事実を確かめるための調査から、証拠をどう活かすかのご相談まで、依頼者の立場で一緒に考えます。「突撃したいほど追い詰められている」「何から始めればいいか分からない」という段階でも構いません。ご相談は無料・匿名で、お電話・LINE・メールフォームから365日24時間お受けしています。


